特許と実用新案の違い




特許と実用新案の違いとは


特許と実用新案の違いについて概要を説明します。
同じ目的で作られた制度ですが、以下の相違点があります。
これらを考慮して、どちらの権利をとるのが適切か検討することが大切です。

(1)対象の違い
基本的には同じですか、実用新案は、「アクリル酸の製造方法」のように方法に関する発明を対象としていません。
そのため、方法の発明については、特許出願(特許申請)する必要があります。
一方、物であれば、原則としてどちらでもかまいませんが、以下のような違いがあるので、注意して下さい。

『<特許法の保護対象>
特許法第2条に規定される発明、すなわち、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものを保護の対象とします。したがって、金融保険制度・課税方法などの人為的な取り決めや計算方法・暗号など自然法則の利用がないものは保護の対象とはなりません。また、技術的思想の創作ですから、発見そのもの(例えば、ニュートンの万有引力の法則の発見)は保護の対象とはなりません。さらに、この創作は、高度のものである必要があり、技術水準の低い創作は保護されません。
<実用新案法の保護対象>
実用新案法第2条、第3条に規定される考案、すなわち、自然法則を利用した技術的思想の創作であって、物品の形状、構造又は組合せに係るものを保護の対象とします。したがって、物品の形状等に係るものですから、方法に係るものは対象となりません。また、特許法の保護対象とは異なり、技術的思想の創作のうち高度のものであることを必要としません。』(特許庁のホームページからの引用)

(2)権利期間の違い
特許の存続期間(権利が生きている期間)は原則として出願後20年です。
実用新案の存続期間は出願から10年です(平成17年4月1日に改正され、6年から10年になりました。)。
長期間の保護が必要であれば、特許出願した方が有利となります。なお、実用新案法が、平成17年4月1日に改正され、、実用新案権として設定登録された後も、実用新案出願から3年以内であれば、実用新案登録に基づいて特許出願することができます。

(3)審査について(審査の有無・権利が発生するまでのスピード)
特許は、出願(申請)すると審査(新規性があるか、進歩性があるかなどの審査です。)があり、特許を与えるに値すると判断されれば、特許原簿に登録されて、特許権が発生します。
審査には時間がかかるため、特許権が発生するまでに原則として出願から2年程度はかかります。なお、「早期審査・優先審査」の制度を利用すれば、審査期間を短くすることができます。

実用新案の出願があったときは、実体審査を経ずに、その実用新案の出願が必要事項の不記載などにより無効にされた場合を除き、出願後3月くらいで実用新案権が登録され、実用新案権が発生します。
そのため、早く権利化したい場合は実用新案の方が有利といえます。

(4)特許権・実用新案権が侵害されたときの違い
特許権は、上述したように、きちんと審査をしてから発生していますので、権利が信頼され、侵害行為があればすぐに権利行使(裁判所に差止請求をしたり、損害賠償請求をしたりすることです。)をすることができます。

しかし、実用新案権は審査を経ずに発生しているので、特許権とは異なり、特許庁に「実用新案技術評価書」を作成してもらい、自分の実用新案権を侵害していると考えられる相手に「実用新案技術評価書」を送付して警告をした後でないと、権利行使することができません。
つまり、権利行使する前に特許庁に評価してもらう必要がある点で、特許権よりも面倒です。
そのため、権利の安定性という点では特許の方が有利となります。

(5)料金の違い
出願料は、特許が16,000円であり、実用新案が14,000です。
出願審査請求料は、特許が 168,600円 + (請求項の数 × 4,000円)
実用新案が46,500円 + (請求項の数 × 1,100円)です。
実用新案の方が特許より少し安いです。
ただし、実用新案は、出願時に登録料(3年分)を前払いする点に注意して下さい。

※料金は、改定されることがありますので、出願前は特許庁に確認して下さい。

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